慢性膵炎の原因やメカニズムはまだはっきりわかっていませんが、患者の生活習慣を調べてみると、アルコールの摂取量と患者数が比例している事がわかります。特に長年にわたって大量飲酒をしている人は、慢性膵炎の6割以上を占めている事がわかっています。
慢性膵炎の原因となる大量飲酒とは、1日に純アルコールで100g以上の摂取をいいます。これをお酒に換算すると、ビールで大瓶3本以上、日本酒で3合以上、ウイスキーではボトル3分の1以上となります。
大量飲酒している人すべてが慢性膵炎を発症するわけではありませんが、発症の危険性がかなり高くなるという事を覚えておく必要があります。
アルコールには胃酸の分泌を促す働きがあり、胃酸は十二指腸に働きかけて膵液の分泌を促します。また、お酒と一緒につい食べがちな肉や魚など、脂肪やタンパク質を多く含む食事もまた、膵液の分泌を促進します。
しかし、何らかの原因で膵管の中や出口部分が詰まってしまうと、膵液が流れにくくなるために膵炎を起こすと考えられています。このほか、慢性膵炎の原因として、自己免疫性や遺伝性があることもわかっています。