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膵臓がんは早期発見・早期治療が大切です。すい臓がんの症状、治療、検査を知っておきましょう!

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膵臓癌の転移(肝臓・肺・リンパ節)
骨転移の治療法とは?

 膵臓癌は早期発見が難しく、発見時には約8割の患者に癌の転移が認められます。癌の転移のしくみ、膵臓癌の転移しやすい臓器、転移後の状況について知っておきましょう。

目次


膵臓癌の転移とは


 癌が進行すると、癌の発生場所から癌細胞が別の臓器などに到達し、そこで増殖して新たな腫瘍を形成します。このような現象を「転移」と呼びます。

 癌の治療をする上で、転移の有無は治療法や治療後の生存率を左右する重要な要素となります。膵臓癌は早期発見が難しく、発見時には約8割の患者に転移が認められるなど、膵臓癌の治療を考える上で転移は大きな問題となります。癌の転移のメカニズムには以下の3つが挙げられます。

@ 血行性転移
A リンパ行性転移
B 腹膜播種

 血行性転移とは癌腫瘍から癌細胞が血液に乗って離れた臓器まで運ばれる転移であり、リンパ行性転移は癌細胞がリンパ液に乗ってリンパ節に拡がる転移です。腹膜播種は腫瘍から癌細胞が腹膜に直接移り、腹膜に新たな癌組織をつくる転移です。

 膵臓癌の転移の場合は、肝臓への転移と腹膜播種が非常に多く見られ、以前は少なかった骨転移も画像診断技術の向上によって発見数が増加しています。



リンパ節転移がステージを決めるポイント


 膵臓癌は癌組織が膵臓内に留まっていれば、かなり早期に発見できたという事になりますが、実際のところはそんな早期に発見できることは稀なケースです。

 膵臓癌は初期症状がほとんどないため、多くの場合で膵臓癌が発見された時には周囲のリンパ節や臓器に転移していることが珍しくありません。

 膵臓癌は膵臓内のリンパ管を経由してリンパ節に転移することがあり、その確率は全体の20%と高率です。リンパ管とは血管と同様に体内に張り巡らされた管であり、体内に侵入したウイルスなどを処理するリンパ液が流れています。

 このリンパ管に癌細胞が侵入すると、そのままリンパ管の所々にあるリンパ節まで流れていき、そこで癌細胞が増殖するようになります。この状態をリンパ節転移といいます。

 膵臓癌のステージ分類には、このリンパ節転移の有無も大きな判断要素になります。膵臓癌の摘出手術を行う場合、リンパへの転移の可能性が少しでも疑われる場合は、膵臓と併せて周囲のリンパ節も同時に切除することがあります。

 このようにリンパ節を切除することを「リンパ節郭清」といいます。

膵臓癌のステージ(進行度)はどうやって分類するの?


膵臓癌は肝臓に転移しやすい


 膵臓癌のすぐ近くには肝臓につながる門脈と呼ばれる太い血管が流れており、膵臓からも門脈に対して小さな血管がつながっています。そのため、膵臓内で癌が発生した場合、癌細胞が小さな血管から門脈に流れ込み、肝臓にたどり着いて増殖することがあり、膵臓癌は肝臓に非常に転移しやすいといえます。

 しかし、膵臓癌の初期症状が乏しいのと同様に、肝臓も「沈黙の臓器」と呼ばれるくらい症状が乏しく、症状が現れた時には癌が進行していることが少なくありません。場合によっては膵臓癌よりも先に肝癌が見つかることもあります。

 肝癌は初期症状としてはっきりとしたものがなく、食欲不振や体重減少など、日常ありがちな症状が現れます。肝癌が進行すると胆管を圧迫することで黄疸が現れる事もあり、さらに進行すると腹腔に体液がたまる腹水と呼ばれる症状が現れるようになります。

 膵臓癌が肺に転移してしまった場合は、非常に苦しい症状を伴います。癌組織が増殖して気道を圧迫すると呼吸がしにくくなり、喘息のような症状が現れます。また、癌が胸膜に転移してしまった場合は胸膜播種を起こすことがあり、胸に水がたまることで呼吸困難になることもあります。

膵臓癌のステージ別生存率は?余命はどれくらい?



膵臓癌の骨転移とは


 癌が骨に転移すると聞いてピンとくる方はあまりいません。というのも、骨はカルシウムでできた体の支柱と思われており、肺や肝臓といった臓器と違い、癌が骨に転移して増殖するというイメージがあまりないからです。

 しかし、骨も細胞でできており、常に古い骨と新しい骨が入れ替わっています。また、骨の中には骨髄が入っており、骨髄で骨の形成に関与する細胞のほか、赤血球や白血球などの血液細胞もつくられています。

 癌が転移した骨は次第に破壊されていきますが、これは癌細胞が骨を直接壊している訳ではありません。骨には骨をつくる細胞である骨芽細胞と、古い骨を壊す破骨細胞があり、癌細胞が破骨細胞の分化を促す因子の放出を促進することで骨の破壊が進みます。

 そのため、骨転移によって疼痛のほか、骨折が起こることもあります。以前は膵臓癌で骨転移が起こる事はまれでしたが、抗がん剤治療の進歩によって生存期間が延びたことや、検査技術の向上によって、骨転移が発見されるケースが増えています。

骨転移の診断と治療


 従来、骨転移を診断するためには疼痛や骨折など、骨転移が疑われる症状が現れてから骨シンチグラフィーによる全身スクリーニングを行い、CTやMRIといった画像検査で確認してきました。

 しかし近年、PET/CTと呼ばれる画像検査が開発されたことで、診断能力が格段に向上しており、骨転移の早期発見に寄与しています。

 骨転移が起こると、疼痛や骨折、神経症状が現れるようになるため、疼痛には鎮痛剤や放射線治療を行うなど、緩和治療を中心に行います。また、癌の転移による骨の破壊を治療するには、破骨細胞の働きを阻害する薬物治療が行われます。

 破骨細胞による骨吸収を阻害するビスホスホネート製剤(商品名:アレディア、ゾメタ)が広く使用されており、2012年に保険認可されたデノスマブ(商品名:ランマーク)にはさらに高い治療効果が認められています。



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